家族思い
「今日も健やかでいてくれてありがとう」身近な人に対してそう思える毎日が増えますように。
日々家族で囲む食卓はもっともあたりまえの日常であり、人の心と身体をつくる大切な風景と考えます。古くから家庭の食卓に多く登場し、派手ではありませんが家族の健康を支えてきたものの一つが日本の伝統食豆腐です。
まちのお豆腐屋さんが消えていく今、今一度世の中の加工食品を見直すという意味も込めて、薪から火を熾し、昔ながらの製法に基づいた豆腐作りをすることを決めました。
なにより家庭の食卓を一番大切にという思いから、各ご家庭の好みに寄り添う豆腐をお作りします。豆腐の味わいの嗜好を左右する「食感」において、お好みでご用命いただけるよう選択肢をご用意しました。さらに細かなご要望がある場合は、一度ご相談ください。それがお客様にとって、「慣れ親しんだ」、「なんだか安心する」家庭の味となることを願っています。
一番に健康を願う人に食べてほしいものだから、原材料とその製法は信頼できるものであること。伝統の左官技術によるかまどに薪をくべ、強い炎とやわらかく澄み切った水の力を借りながら力強く炊き上げます。一度にたくさんの量は作れませんが、育った環境や季節で変わる大豆の状態に息を合わせられるように、ご家庭の好みに寄り添う豆腐となるように、細やかな心配りができるのがこの製法のいいところです。
ひとつ屋根の下、あたりまえの日常を大切に生きる人たちの小さな支えとなれますよう。ぜひあなたの家族のお気に入り、「うちの定番豆腐」を見つけてください。
小屋束豆腐店
店主・豆腐の作り手
松井美樹
1985年生まれ
鳥取県出身
2010年頃から都内にてインテリア商材の輸入卸販売に従事する。
取引先であるショップ、飲食店で働く人々やお客様と関わる中で、衣食住さまざまな角度から「日々の生活」について思いを巡らせる機会を頂く。その中でも「食」は、誰にとっても平等に不可欠で、毎日の体調や心持ちに直接的に結びつくように思え、「日々食べるもの」への関心が徐々に強くなる。
当時、自らの体調の思わしくない時期があり、その頃唯一すすんで食べられたのが、白くて柔らかい豆腐であった。様々な豆腐を食べ、お店をまわる中で、豆腐作りの奥深さや業界が抱える問題を知るうち、気付けば豆腐のことばかり考えていた。食の嗜好は人それぞれで、多様性と選択肢があるべきものと考えているが、豆腐に関して、その選択肢を広げる、残すという意味で、ある時出会った「地釜製法」で作られた豆腐に魅力を感じ、自ら豆腐屋の道を志す。
都内の老舗豆腐店で修業の後、大豆農家さんを訪れた先でその土地の湧き水を飲んだときに、この土地で豆腐を作りたいと強く思い、現在の岡山県蒜山に移住を決める。豆腐製造を通じて、人の命や日々の暮らしに心地よく関わることができたらと考えている。